【2025年2月最新】OrcaSlicer×Klipper完全ガイド|3Dプリンター高速印刷の新時代
はじめに:スライサーとファームウェアの最強タッグ
2025年、3Dプリンター界隈で最も注目されているのが、OrcaSlicerとKlipperの組み合わせです。オープンソースのパワーにより、家庭用3Dプリンターでも工業機に匹敵する印刷品質と速度が実現可能になっています。
本記事では、OrcaSlicer公式とKlipper公式ドキュメントの最新情報を基に、これらのツールの設定方法と活用テクニックを詳しく解説します。初心者から上級者まで、印刷品質を劇的に向上させる方法をお伝えします。
OrcaSlicer V2.3.1-alphaの新機能
OrcaSlicer GitHubによると、V2.3.1-alphaはインフィル、サーフェス制御、モーションチューニング、ワークフロー改善に焦点を当てた包括的なアップデートです。
テンプレートベースのスパースインフィルローテーションシステムが導入されました。これにより、インフィルパターンの配置をより柔軟に制御でき、構造強度の最適化が可能になります。
2つの新しいファジースキン機能として、ファジースキン(押出モード)とファジースキンペインティングが追加されました。これにより、表面のテクスチャをより細かくコントロールでき、有機的な外観や滑り止め効果を実現できます。
フローレート校正が改善され、より正確な押出量の調整が可能になりました。また、ビルトインのInput ShapingとJunction Deviation校正ツールが追加されました。
Input ShapingとJunction Deviation校正
OrcaSlicerは、Marlin 2およびKlipperベースのプリンターでモーション制御を最適化するための包括的なInput ShapingとJunction Deviation校正ツールを導入しました。
“Through a two-step calibration process—first identifying the optimal input shaping frequency, then fine-tuning damping ratios—users can significantly reduce ghosting and vibration artifacts.”
(2段階の校正プロセスにより—まず最適なInput Shaping周波数を特定し、次にダンピング比を微調整することで—ユーザーはゴーストと振動アーティファクトを大幅に削減できる)
MarlinのM593 G-codeサポートと初期Klipper互換性により、Ender-3クラスのプリンターからVoron 2.4、FLSun T1 Proなどの高性能モデルまで、幅広いマシンで検証されています。
校正プロセスは、専用の校正UI、グラニュラーなコントロール、そして明確なステップバイステップのガイダンスを提供します。
OrcaSlicer V1.6.2-betaの変更点
OrcaSlicer V1.6.2-betaリリースノートには、以下の新機能が含まれています。
デルタプリンターサポートにより、非標準のベッド原点を持つデルタプリンターやその他のデバイスに対応しました。これにより、従来のカルテシアンシステムを超えた互換性が拡大します。
カスタムベッドカスタマイゼーションでは、パーソナライズされたベッドテクスチャと3Dモデルをプリンター設定に割り当てることができます。
“The nozzle diameter limitation has been removed”
(ノズル直径の制限が撤廃された)
これにより、標準外のノズルサイズを使用するプリンターでも、より広範なハードウェア互換性が実現します。
新しいプリンターサポートとして、FLSun V400(デルタプリンター)、Snapmaker J1、VzBot 235 AWDおよびVzBot 330 AWDが追加されました。
Klipperの最新リリース
Klipper公式リリースノートによると、2025年4月11日リリースには、Input Shaping用の新しい「sweeping vibrations」レゾナンステストメカニズムが含まれています。
最近のKlipperリリースの主な変更点として、IDEXプリンターでのCOPYおよびMIRRORモードのサポートが追加されました。また、新しいar100およびhc32f460アーキテクチャのサポート、stm32f7、stm32g0b0、stm32g07x、stm32g4、stm32h723、n32g45x、samc21、samd21j18チップバリアントのサポートも追加されています。
新しいハードウェアサポートとして、tmc2240ステッピングモータードライバー、lis2dw12加速度計、aht10温度センサーが含まれます。新しいaxis_twist_compensationとtemperature_combinedモジュールが追加され、XY、XZ、YZ平面でのG-codeアークの新しいサポートも追加されました。
Klipperプリンター設定推奨
Klipperユーザーの場合、OrcaSlicerの認識とサムネイルなどのメタデータ解析のために、Moonrakerを最新バージョンに更新することが推奨されています。
printer.cfgに以下の設定を追加することで、オブジェクト除外とアークサポートが有効になります。
[exclude_object]
[gcode_arcs]
resolution: 0.1
exclude_objectを有効にすると、印刷中に問題のあるオブジェクトを個別に除外でき、マルチパーツ印刷の失敗を最小限に抑えられます。gcode_arcsは、滑らかな曲線を効率的なアークコマンドで処理し、印刷品質と速度を向上させます。
OrcaSlicerとKlipperの統合メリット
Obicoによると、OrcaSlicerとKlipperの統合には複数のメリットがあります。
Wi-Fi印刷では、Klipper、Mainsail、またはOctoPrint経由で直接印刷を送信できます。高速スライシングエンジンによりパフォーマンスと速度が向上します。改善されたマルチマテリアルサポートにより、よりスムーズなカラーとフィラメント切り替えが実現します。
OrcaSlicerは、Klipper、PrusaLink、OctoPrintとのシームレスな3Dプリンター統合を提供し、リモート印刷とモニタリングを可能にします。自動ブリムと適応メッシュキャリブレーションにより、一貫した密着が保証されます。
OrcaSlicerは、カスタムプリンタープロファイル、自動キャリブレーション、Klipperファームウェアのネイティブサポートなど、より大きなカスタマイズオプションを提供します。
マルチマテリアル印刷の進化
OrcaSlicer V2.3.1-alphaでは、マルチマテリアル印刷がカラーリマッピングとより頑丈なRIBワイプタワーで強化されました。
カラーリマッピングにより、スライス後でもフィラメント色の割り当てを変更でき、再スライスなしで異なる色バリエーションを試せます。RIBワイプタワーは従来のワイプタワーよりも安定性が高く、フィラメント切り替え時の信頼性が向上しています。
最新のBambuLabファームウェアとAMS 2/HTもサポートされ、BambuLab製プリンターユーザーにとってもシームレスな体験が提供されます。
FAQ:よくある質問と回答
Q1: OrcaSlicerは無料ですか?
はい、OrcaSlicerは完全にオープンソースで無料です。PrusaSlicerとBambuStudioをベースに開発されており、GitHubからダウンロードして自由に使用できます。
Q2: KlipperとMarlinの違いは何ですか?
Klipperはプリンターのマイクロコントローラーではなく、Raspberry Piなどの外部コンピューターでG-codeを処理します。これにより、より高度な計算(Input Shapingなど)が可能になり、高速印刷時の品質が向上します。Marlinは従来のファームウェアで、プリンター本体のマイクロコントローラーで動作します。
Q3: Input Shapingとは何ですか?
Input Shapingは、プリンターの振動を予測し、それを打ち消すようにモーションを調整する技術です。これにより、高速印刷時に発生しがちなゴースト(リンギング)と呼ばれる波状のアーティファクトを大幅に削減できます。
Q4: OrcaSlicerはどのプリンターに対応していますか?
OrcaSlicerは、KlipperおよびMarlinファームウェアを使用するほぼすべてのFDMプリンターに対応しています。また、BambuLab、Prusa、Voron、Ender、Crealityなど、多数のプリンターのプリセットが含まれています。V1.6.2-betaからはデルタプリンターもサポートされました。
Q5: フローレート校正はなぜ重要ですか?
正確なフローレートは、オーバーエクストルージョン(過剰押出)やアンダーエクストルージョン(過少押出)を防ぎ、寸法精度、表面品質、レイヤー密着を向上させます。OrcaSlicerの改善されたフローレート校正により、この調整がより簡単かつ正確になりました。
まとめ:オープンソースが3Dプリンティングを革新する
OrcaSlicerとKlipperの組み合わせは、3Dプリンティングの可能性を大きく広げています。V2.3.1-alphaのInput Shaping校正ツール、V1.6.2-betaのデルタプリンターサポート、Klipperの継続的なハードウェア対応拡大により、かつては高価な工業機でしか実現できなかった印刷品質が、家庭用プリンターでも達成可能になりました。
2025年は、3Dプリンター技術が成熟期を迎えた年と言えます。オープンソースコミュニティの貢献により、ソフトウェアとファームウェアの両面で継続的な改善が行われ、ユーザーは常に最新の機能を無料で利用できます。
これから3Dプリンターを始める方も、既存ユーザーも、OrcaSlicerとKlipperへの移行を検討する価値があります。初期設定には多少の学習が必要ですが、その投資に見合う印刷品質の向上が期待できます。

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