Docker「OCI runtime create failed」エラーの解決方法【2026年最新版】

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Docker「OCI runtime create failed」エラーの解決方法【2026年最新版】

Dockerコンテナを起動しようとした際に「Error response from daemon: OCI runtime create failed」というエラーに遭遇したことはありませんか?このエラーは、Dockerの低レベルコンテナランタイム(runc)がコンテナを起動できなかったことを示す厄介な問題です。本記事では、このエラーの原因と具体的な解決方法を2026年の最新情報をもとに徹底解説します。

このエラーとは?発生する症状

「OCI runtime create failed」エラーは、DockerがOCI(Open Container Initiative)準拠のランタイム(通常はrunc)を使用してコンテナを作成・起動しようとした際に発生するエラーです。OCIとは、コンテナフォーマットとランタイムの業界標準を定義する団体であり、Dockerはこの標準に準拠したruncを使用してコンテナを管理しています。

このエラーが発生すると、以下のような症状が現れます:

  • docker runコマンドでコンテナが起動しない
  • docker-compose upでサービスが立ち上がらない
  • コンテナログに「OCI runtime create failed」というメッセージが表示される
  • 「runc create failed: unable to start container process」というエラーメッセージが出力される

エラーメッセージの形式は通常以下のようになります:

Error response from daemon: OCI runtime create failed: container_linux.go:380: starting container process caused: exec: "python": executable file not found in $PATH: unknown

このエラーは開発環境、CI/CD パイプライン、本番環境など、あらゆるDocker環境で発生する可能性があり、コンテナベースのアプリケーション開発やデプロイメントに大きな影響を与えます。

このエラーが発生する原因

OCI runtime create failedエラーには複数の原因が考えられます。エラーメッセージの「caused:」以降の部分に重要なヒントが含まれているため、まずはエラーメッセージ全体を確認することが重要です。

原因1: 実行ファイルが見つからない(executable not found)

最も一般的な原因の一つは、コンテナ内で指定された実行ファイルやコマンドが存在しないことです。DockerfileのENTRYPOINTCMDで指定したコマンドがコンテナイメージ内に存在しない場合、このエラーが発生します。

例えば、Pythonがインストールされていないベースイメージでpythonコマンドを実行しようとすると、以下のようなエラーが表示されます:

exec: "python": executable file not found in $PATH

これは、Alpine Linuxなどの軽量イメージを使用している場合に特に頻繁に発生します。

原因2: SELinux/AppArmorによるアクセス制御

SELinux(Security-Enhanced Linux)やAppArmorなどのセキュリティモジュールが、コンテナのプロセスやマウント操作をブロックしている場合にもこのエラーが発生します。特に以下のような状況で問題となります:

  • ホストのディレクトリをボリュームマウントする際
  • 特定のデバイスファイルにアクセスする際
  • 特権操作を必要とするコンテナを実行する際

SELinuxが有効な環境では、以下のようなエラーメッセージが表示されることがあります:

write /proc/self/attr/keycreate: permission denied

原因3: エントリポイントスクリプトの問題

Dockerfileで指定したentrypoint.shなどのスクリプトファイルに問題がある場合もエラーが発生します。主な原因は以下の通りです:

  • ファイルがイメージにコピーされていない
  • ファイルパスが間違っている
  • 実行権限(execute permission)が付与されていない
  • Windowsで作成したスクリプトの改行コード(CRLF)がLinuxで認識されない

原因4: Dockerやruncのバージョン問題

DockerやruncのバージョンがホストOSのカーネルと互換性がない場合、このエラーが発生することがあります。特にProxmox VEやその他の仮想化環境でのアップグレード後に問題が報告されています。Docker 25以上へのアップグレードで解決するケースも多くあります。

原因5: cgroup設定の問題

コンテナのcgroup(Control Groups)設定がホストシステムと互換性がない場合にもエラーが発生します。特にcgroupsv1からcgroupsv2への移行期において、この問題が頻繁に報告されています。

解決方法1: 実行ファイルとパスの確認(推奨)

最初に試すべき最も効果的な解決方法は、コンテナ内の実行ファイルとパスを確認することです。

手順1: イメージの内容を確認する

まず、問題のイメージ内に必要なコマンドが存在するかを確認します:

# イメージ内のファイルシステムを確認
docker run --rm --entrypoint ls myapp:latest /usr/bin/

# 特定のコマンドの存在を確認
docker run --rm --entrypoint which myapp:latest python

手順2: Dockerfileの修正

実行ファイルが存在しない場合は、Dockerfileを修正して必要なパッケージをインストールします:

# Alpine Linuxの場合
FROM alpine:latest
RUN apk add --no-cache python3 py3-pip

# Debian/Ubuntuの場合
FROM ubuntu:22.04
RUN apt-get update && apt-get install -y python3 python3-pip

手順3: ENTRYPOINTとCMDの確認

DockerfileのENTRYPOINTCMDが正しく設定されているか確認します:

# 正しい例
ENTRYPOINT ["/app/entrypoint.sh"]
CMD ["python3", "app.py"]

# 絶対パスを使用することを推奨
ENTRYPOINT ["/usr/local/bin/python3"]

注意点

  • シェルスクリプトを使用する場合は、必ず実行権限を付与してください:RUN chmod +x /app/entrypoint.sh
  • Windowsで作成したスクリプトは、dos2unixコマンドで改行コードを変換するか、Dockerfile内で処理してください

解決方法2: SELinux/AppArmor関連の対処

SELinuxやAppArmorが原因でエラーが発生している場合の対処法です。

SELinuxの状態を確認

# SELinuxの状態を確認
sestatus

# 最近のSELinux拒否ログを確認
ausearch -m avc -ts recent

ボリュームマウント時のラベル設定

SELinux環境でボリュームをマウントする場合は、適切なラベルを設定します:

# :z オプション(共有ボリューム用)
docker run -v /host/path:/container/path:z myapp:latest

# :Z オプション(プライベートボリューム用)
docker run -v /host/path:/container/path:Z myapp:latest

永続的なラベル設定

頻繁に使用するディレクトリには、永続的なSELinuxラベルを設定できます:

# コンテナ用のSELinuxコンテキストを設定
chcon -Rt svirt_sandbox_file_t /path/to/volume

テスト用にSELinuxラベルを無効化

問題の切り分けのため、一時的にSELinuxラベルを無効化してテストできます:

docker run --security-opt label=disable myapp:latest

重要: 本番環境ではSELinuxを永続的に無効化することは推奨されません。セキュリティリスクを十分に理解した上で、適切なポリシー設定を行ってください。

解決方法3: Docker/runcのアップグレードと設定変更(上級者向け)

バージョンの問題や高度な設定が必要な場合の解決方法です。

Dockerのアップグレード

古いバージョンのDockerを使用している場合は、最新バージョンにアップグレードします:

# Ubuntu/Debianの場合
sudo apt-get update
sudo apt-get install docker-ce docker-ce-cli containerd.io docker-buildx-plugin docker-compose-plugin

# CentOS/RHELの場合
sudo yum update docker-ce docker-ce-cli containerd.io

runcのバージョン確認と更新

# runcのバージョンを確認
runc --version

# 必要に応じてruncを個別に更新
sudo apt-get install runc

systemd設定の修正

一部の環境では、Dockerのsystemd設定を修正する必要があります:

# Docker serviceファイルを編集
sudo systemctl edit docker.service

# 以下の設定を追加(MountFlagsの問題を解決)
[Service]
MountFlags=shared

# 設定を反映
sudo systemctl daemon-reload
sudo systemctl restart docker

cgroupドライバーの設定

cgroupドライバーの互換性問題がある場合は、Docker daemonの設定を変更します:

# /etc/docker/daemon.json を編集
sudo nano /etc/docker/daemon.json

以下の内容を追加:

{
  "exec-opts": ["native.cgroupdriver=systemd"],
  "log-driver": "json-file",
  "log-opts": {
    "max-size": "100m"
  },
  "storage-driver": "overlay2"
}

設定後、Dockerを再起動します:

sudo systemctl restart docker

エラーを予防するには

OCI runtime create failedエラーを未然に防ぐためのベストプラクティスを紹介します。

Dockerfileのベストプラクティス

  1. 信頼できるベースイメージを使用する: 公式イメージや検証済みのイメージを使用し、必要な依存関係が含まれていることを確認します。

  2. マルチステージビルドを活用する: 最終イメージに不要なツールやファイルを含めないようにします。

  3. 実行権限を明示的に設定する: スクリプトファイルには必ずchmod +xを実行します。

  4. 絶対パスを使用する: ENTRYPOINTCMDでは相対パスではなく絶対パスを使用します。

定期的なメンテナンス

  1. Dockerとruncを最新に保つ: セキュリティパッチと互換性の向上のため、定期的にアップデートを行います。

  2. 不要なイメージとコンテナを削除する: docker system pruneを定期的に実行してディスク容量を確保します。

  3. ログを監視する: journalctl -u dockerでDockerのシステムログを定期的に確認します。

テスト環境での事前検証

本番環境へのデプロイ前に、必ずローカル環境やステージング環境でコンテナが正常に起動することを確認してください。CI/CDパイプラインにコンテナの起動テストを組み込むことも効果的です。

まとめ

Docker「OCI runtime create failed」エラーは、コンテナランタイムがコンテナを起動できない状況を示す一般的なエラーです。主な原因として、実行ファイルの欠如、SELinux/AppArmorによるアクセス制御、エントリポイントの設定ミス、Docker/runcのバージョン問題、cgroup設定の不整合などが挙げられます。

解決の際は、まずエラーメッセージの「caused:」以降を確認し、具体的な原因を特定することが重要です。多くの場合、Dockerfileの修正やボリュームマウントのオプション追加で解決できます。

それでも解決しない場合は、以下のステップを試してください:

  1. docker logsjournalctlでより詳細なエラー情報を確認
  2. Docker公式フォーラムやStack Overflowで類似の問題を検索
  3. Dockerのバージョンアップグレードを検討
  4. ホストOSのカーネルとDockerの互換性を確認

コンテナ技術は日々進化しており、新しいバージョンでは多くの問題が解決されています。定期的なアップデートと適切な設定管理で、安定したコンテナ環境を維持しましょう。

参考資料

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