【2026年2月版】OpenStreetMap最新動向|Mapping USA 2026・コミュニティ活動・SotM US完全ガイド
はじめに
オープンソースの地図プロジェクトであるOpenStreetMap(OSM)は、2026年に入って活発なイベントやコミュニティ活動が展開されています。1月末に開催されたMapping USA 2026、6月に控えるState of the Map US 2026、新しいフェローシップ制度の創設、そしてアメリカ地理学会(AGS)やTomTomの参加など、エコシステムの拡大が続いています。
この記事では、2026年のOpenStreetMapの最新動向、主要イベントの詳細、コミュニティの取り組み、そしてマッピング活動への参加方法について、英語圏の最新情報をもとに詳しく解説します。
Mapping USA 2026:オンラインマッピングイベント
イベント概要
Mapping USA 2026は、2026年1月30日〜31日にオンラインで開催された大規模マッピングイベントです。数百人のOpenStreetMapコントリビューター、データ利用者、愛好家が集まり、2日間にわたってプレゼンテーション、ワークショップ、さまざまなマッピング活動が行われました。
参加費は無料で、オプションの10ドル寄付が受け付けられていました。OSM USスワッグショップでの特別グッズ販売もありました。
注目のセッション
Mapping USAでは、以下のような多様なトピックが取り上げられました。
- オープンデータと地方自治体の連携事例
- AI支援によるマッピングの品質向上手法
- ハイキングトレイルやサイクリングルートのマッピングベストプラクティス
- 災害対応におけるOpenStreetMapの活用
State of the Map US 2026
開催概要
OpenStreetMapの米国カンファレンスState of the Map US 2026は、2026年6月11日〜13日にウィスコンシン州マディソンで開催予定です。早期割引チケットは1月31日まで販売されていました。
セッション提案の募集(Call for Proposals)は2026年2月16日まで受付中で、トーク、ワークショップ、パネルディスカッション、ポスターセッションなど多彩な形式での発表が可能です。
フェローシップ制度の新設
OpenStreetMap USは、SotM US 2026に経済的な理由で参加が困難な方のために、新しいフェローシップ制度を創設しました。
“Accepted fellows will receive a General Admission ticket plus admission to all networking and social events, and up to $1000 USD in reimbursement for travel and lodging expenses.”
(採択されたフェローは一般入場チケットに加え、すべてのネットワーキングおよびソーシャルイベントへの参加権と、旅費・宿泊費として最大1,000米ドルの払い戻しを受けることができる)
これは、コミュニティの多様性を促進し、より幅広い参加者を受け入れるための重要な取り組みです。
国際カンファレンス
国際版のState of the Mapは、2026年8月28日〜30日にフランス・パリで開催予定です。世界中のOSMコミュニティが一堂に会する年間最大のイベントとなります。
コミュニティの成長と新メンバー
アメリカ地理学会(AGS)の加入
OpenStreetMap USは、アメリカ地理学会(AGS)を最新の組織メンバーとして迎え入れました。AGSは1851年設立の歴史ある地理学組織で、その参加はOSMの学術的・専門的な信頼性の向上に寄与します。
TomTomの参加
ナビゲーション技術の大手企業TomTomもOpenStreetMap USにアソシエイトメンバーとして加入しました。OpenStreetMap USのアップデートによると、これは商用企業とオープンソース地図コミュニティの協力関係が深まっていることの象徴です。
“TomTom joined OpenStreetMap US as an Associate Member.”
(TomTomがOpenStreetMap USにアソシエイトメンバーとして加入した)
プログラム統合
MapRouleteとOSMChaは、従来はチャータープロジェクトとして運営されていましたが、2026年からOSM USの完全な傘下プログラムに移行しました。2025年7月にこれらのイニシアチブの資金が枯渇したことが契機となり、より安定した運営体制への移行が図られました。
理事会選挙
OpenStreetMap USでは、理事2ポジションの選挙が進行中です。
- 候補者推薦受付:1月26日〜2月8日
- 投票期間:2月23日〜3月1日
- 新理事発表:3月2日
コミュニティメンバーであれば誰でも推薦・投票に参加でき、プロジェクトの方向性に直接影響を与えることができます。
ワーキンググループの活動
OSM USでは複数のワーキンググループが活発に活動しています。
- Trails(トレイル): ハイキング・サイクリングルートのマッピング標準化
- Imagery(衛星画像): 航空写真・衛星画像のアクセス向上
- Pedestrian(歩行者): 歩道・横断歩道・アクセシビリティマッピング
実践手順:OpenStreetMapマッピングに参加する
ステップ1:アカウント作成
openstreetmap.orgでアカウントを作成します。メールアドレスのみで無料で登録可能です。
ステップ2:iDエディタで編集開始
ブラウザ上のiDエディタを使えば、ソフトウェアのインストールなしにすぐマッピングを始められます。自宅周辺の道路名や建物、店舗情報の追加から始めましょう。
ステップ3:JOSMの導入(上級者向け)
より本格的な編集には、デスクトップアプリケーションのJOSMがお勧めです。プラグインの充実やオフライン編集が可能です。
ステップ4:コミュニティに参加
OpenStreetMap Community Forumに参加し、日本のコミュニティ(Talk-ja)で情報交換しましょう。
ステップ5:MapRouleteでタスクに挑戦
MapRouleteは、ゲーム感覚でマッピングタスクに取り組めるプラットフォームです。初心者でも簡単に貢献できるタスクが多数用意されています。
よくある質問(FAQ)
Q: OpenStreetMapのデータは商用利用できますか?
A: はい、Open Database License(ODbL)のもとで商用利用可能です。ただし、改変したデータを再配布する場合は同じライセンスで公開する必要があります。
Q: 日本のOpenStreetMapコミュニティはありますか?
A: はい、非常に活発なコミュニティがあります。日本語メーリングリスト「Talk-ja」や、定期的なマッピングパーティーが開催されています。
Q: マッピングに特別な機材は必要ですか?
A: インターネット接続のあるパソコンがあれば始められます。現地調査にはスマートフォンのGPS機能が役立ちます。
Q: State of the Map USに日本から参加できますか?
A: もちろんです。フェローシップ制度を利用すれば、旅費の補助も受けられる可能性があります。国際版はパリで開催されるので、そちらへの参加も検討の価値があります。
まとめ
2026年のOpenStreetMapは、Mapping USA、State of the Map US、そして国際版SotMパリと、充実したイベントラインナップで盛り上がっています。AGSやTomTomの参加によるコミュニティの拡大、フェローシップ制度による多様性の推進、MapRouleteやOSMChaのプログラム統合による安定化など、プロジェクトの成熟度が一段と増しています。
地図データは私たちの生活のあらゆる場面で利用されており、OpenStreetMapはその中核を担うオープンなプラットフォームです。ぜひこの機会にコミュニティに参加し、地図データの充実に貢献してみてください。

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