【2026年2月版】レトロゲーム機カスタムFW最新動向|ROCKNIX・KNULLI・muOSの比較と選び方ガイド
はじめに、レトロゲーム携帯機のカスタムファームウェア(CFW)の世界が2026年も活発に進化を続けています。JELOSの後継であるROCKNIXをはじめ、KNULLI、muOS、MinUIなど、多彩な選択肢が出揃いました。本記事では、2026年2月時点での各CFWの最新動向、機能比較、そして選び方のポイントを詳しく解説します。
レトロゲーム携帯機はAnbernic、Miyoo、Retroid Pocketなど多くのメーカーから発売されており、それぞれのデバイスに最適なカスタムファームウェアを選ぶことが、最高のゲーム体験を得るための重要なポイントになっています。2026年のCFW事情を整理して、あなたのデバイスに最適なファームウェアを見つけましょう。
JELOSからROCKNIXへ — プロジェクトの継承と進化
JELOSプロジェクトは2024年に開発を終了しましたが、そのDNAはROCKNIXとして受け継がれています。ROCKNIXはJELOSの後継プロジェクトとして、EmulationStationフロントエンドを採用した包括的なカスタムファームウェアです。
Hacker Newsでも話題になったように、ROCKNIXは「携帯ゲームデバイス向けのイミュータブルLinuxディストリビューション」として位置づけられています。
“Rocknix is an immutable Linux distribution for handheld gaming devices”
(ROCKNIXは携帯ゲームデバイス向けのイミュータブルLinuxディストリビューションである)
— Hacker News
「イミュータブル」という設計思想は、システムの安定性を最大限に確保するもので、ユーザーが誤ってシステムファイルを変更してしまうリスクを排除しています。ゲーム体験に集中できる安心感は、カジュアルユーザーにとって大きな魅力です。
ROCKNIXの主な特徴は以下の通りです。
- EmulationStation DEフロントエンド: 美しいテーマとメタデータ対応
- 幅広いデバイスサポート: Anbernic RG系、Powkiddy系など多数のデバイスに対応
- RetroArch統合: 豊富なエミュレータコアを統合
- OTAアップデート: デバイス上から直接アップデート可能
- PortMasterサポート: PCゲームのポート版をプレイ可能
KNULLIの台頭 — Batoceraフォークの進化形
2026年のCFWシーンで最も勢いがあるのがKNULLIです。Batoceraのフォークとして開発されたKNULLIは、低スペックなレトロゲーム携帯機にEmulationStationスタイルの豊富な機能セットを提供します。
“KNULLI is a custom firmware for retro gaming devices (handhelds, bartops, etc.) developed as a fork of Batocera.”
(KNULLIは、Batoceraのフォークとして開発されたレトロゲームデバイス(携帯機、バートップなど)向けのカスタムファームウェアである)
— KNULLI Wiki
KNULLIの最新リリース「KNULLI Gladiator II」では、待望のOTA(Over-the-Air)アップデート機能が実装されました。これにより、SDカードを取り出してPCでファームウェアを書き換えるという手間のかかる作業が不要になり、デバイス上から直接将来のアップデートをインストールできるようになりました。
KNULLIの強みは以下の点にあります。
- オープンソースカーネル非対応デバイスへの対応: 他のCFWでは対応が困難なデバイスにもEmulationStation機能を提供
- Batoceraの成熟したコードベース: 安定性と機能の豊富さを両立
- 多彩なテーマ: カスタマイズ性の高いUIテーマ
- PortMaster対応: Linux移植ゲームのサポート
- RetroAchievements連携: オンライン実績システムとの統合
muOS — パフォーマンス重視のミニマリスト
muOSは、Anbernicデバイス向けに特化した、パフォーマンス重視のカスタムファームウェアです。
muOSの設計哲学は「余計なものを排除して、ゲーム体験に集中する」というものです。純粋なRetroArchベースのCFWとして、フロントエンドの装飾を最小限に抑え、超高速な起動とシンプルで直感的なナビゲーションを実現しています。
muOSの特徴は以下の通りです。
- 超高速起動: フロントエンドのオーバーヘッドを最小化
- シンプルなインターフェース: 必要最低限の操作で素早くゲームにアクセス
- 改善されたエミュレーション性能: 特定のAnbernicデバイスに最適化
- 低メモリ使用量: システムリソースをゲームに最大限割り当て
MinUI — 究極のミニマリスト
MinUIは、ミニマリズムを極限まで追求したランチャーです。ボックスアート、カスタムテーマ、複雑な設定項目を一切排除し、純粋にゲームを選んで遊ぶことだけに特化しています。
MinUIは特にMiyoo Miniシリーズのデバイスで人気が高く、デバイスの限られたリソースを最大限にゲーム実行に回す設計が評価されています。カスタマイズの楽しさよりも、電源を入れたらすぐにゲームを遊びたいという方に最適です。
2026年版 カスタムFW比較表
| 特徴 | ROCKNIX | KNULLI | muOS | MinUI |
|---|---|---|---|---|
| ベース | JELOS後継 | Batoceraフォーク | 独自開発 | 独自開発 |
| フロントエンド | EmulationStation | EmulationStation | RetroArch | 独自ミニマル |
| テーマ対応 | あり | あり | 限定的 | なし |
| OTAアップデート | あり | あり(Gladiator II) | 一部対応 | なし |
| 対応デバイス | 幅広い | 幅広い | Anbernic中心 | Miyoo中心 |
| カスタマイズ性 | 高い | 高い | 中程度 | 低い |
| 起動速度 | 普通 | 普通 | 高速 | 最速 |
| PortMaster | あり | あり | 限定的 | なし |
| RetroAchievements | あり | あり | あり | なし |
| 初心者おすすめ度 | 高い | 高い | 中程度 | 高い |
実践手順:カスタムFWのインストール方法
ステップ1:デバイスの確認
まず、お持ちのレトロゲーム携帯機がどのCFWに対応しているかを確認しましょう。
- Anbernic RG35XX系: KNULLI、muOS、MinUI
- Anbernic RG556/RG406系: ROCKNIX、KNULLI
- Powkiddy系: ROCKNIX、KNULLI
- Miyoo Mini系: MinUI、Onion
ステップ2:SDカードの準備
高品質なmicroSDカード(SanDisk Extremeなど)を用意します。容量は32GB以上を推奨します。
ステップ3:ファームウェアのダウンロード
各CFWのGitHubリリースページからデバイスに対応したイメージファイルをダウンロードします。
- ROCKNIX: GitHubリリースページ
- KNULLI: GitHub Releases
- muOS: 公式サイト
ステップ4:イメージの書き込み
Balena EtcherやRufusなどのツールを使って、ダウンロードしたイメージファイルをmicroSDカードに書き込みます。
1. Balena Etcherを開く
2. ダウンロードしたイメージファイルを選択
3. 対象のSDカードを選択
4. "Flash!"をクリック
ステップ5:初回起動と設定
SDカードをデバイスに挿入して電源を入れます。初回起動時はファイルシステムの拡張に少し時間がかかる場合があります。起動後、Wi-Fi設定、タイムゾーン、言語などの基本設定を行いましょう。
ステップ6:ROMの配置
Wi-Fi経由またはPCにSDカードを接続して、romsフォルダの各システムディレクトリにゲームROMを配置します。
よくある質問(FAQ)
Q1: JELOSはもう使えないのですか?
A1: JELOSの開発は終了していますが、既存のインストールは引き続き使用可能です。ただし、セキュリティアップデートや新機能の追加はありません。後継のROCKNIXへの移行を推奨します。
Q2: どのCFWが初心者に最もおすすめですか?
A2: デバイスによって異なりますが、一般的にはKNULLIかROCKNIXがおすすめです。EmulationStationフロントエンドで直感的に操作でき、OTAアップデートで管理も容易です。
Q3: 複数のCFWを試すことはできますか?
A3: はい、SDカードを複数用意すれば、それぞれにCFWをインストールして差し替えることで、複数のCFWを試せます。
Q4: RetroAchievementsとは何ですか?
A4: RetroAchievementsは、レトロゲームに実績(トロフィー)システムを追加するオンラインサービスです。対応CFWで有効化すると、特定の条件をクリアした際にバッジを獲得できます。
Q5: PortMasterとは何ですか?
A5: PortMasterは、PC用ゲームをLinux携帯機に移植するプロジェクトです。Stardew Valley、Celeste、Shovel Knightなど、多くの人気インディーゲームがプレイ可能です。
まとめ
2026年2月のレトロゲーム携帯機カスタムFWシーンは、JELOSの遺志を継ぐROCKNIX、Batoceraの技術力を活かしたKNULLI、パフォーマンス重視のmuOS、究極のミニマリストMinUIと、それぞれ異なる哲学を持つCFWが共存する豊かなエコシステムとなっています。
OTAアップデートの標準化、RetroAchievements連携、PortMasterサポートなど、ユーザー体験は年々向上しています。自分のデバイスと使い方に合ったCFWを選んで、最高のレトロゲーム体験を楽しみましょう。

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