failed due to invalid Upgrade header: nullの解決方法【2025年最新版】
エラーの概要・症状
この「failed due to invalid Upgrade header: null」というエラーメッセージは、WebSocket接続を試みた際に、HTTPリクエストの「Upgrade」ヘッダーが無効であることを示しています。具体的には、WebSocketプロトコルへの移行を試みる際に、必要なヘッダーが存在しなかったり、誤った形式で送信された場合に発生します。このエラーが発生する状況は、通常、WebSocketを使用するリアルタイムアプリケーションやウェブサービスで多く見られます。
ユーザーは、リアルタイム機能が必要なアプリケーションにアクセスしようとした際、接続が確立できず、エラーメッセージが表示されることで困惑します。このエラーは、特にチャットアプリや通知システムなど、WebSocketを利用する場合に顕著です。
このエラーが発生する原因
「failed due to invalid Upgrade header: null」エラーの主な原因は以下の通りです:
- サーバー設定の不備: WebSocketを使用するためには、サーバーが適切に設定されている必要があります。ApacheやNginxなどのプロキシサーバーが正しく設定されていない場合、Upgradeヘッダーが無視されることがあります。
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HTTP/1.1の使用: WebSocketはHTTP/1.1のプロトコルを使用しているため、サーバーがこのバージョンをサポートしている必要があります。HTTP/2やそれ以前のバージョンでは、WebSocket接続が正しく処理されないことがあります。
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ブラウザの互換性: 一部のブラウザやバージョンによっては、WebSocketの接続にバグが存在することがあります。特に、古いバージョンのブラウザは、WebSocketのハンドシェイクを正しく処理できないことがあります。
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ファイアウォールやセキュリティソフトの設定: 一部のファイアウォールやセキュリティソフトは、WebSocketのトラフィックをブロックすることがあります。これにより、Upgradeヘッダーが無視され、接続が失敗することがあります。
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APIの設定ミス: WebSocketを使用するAPIの設定が不適切な場合、正しいヘッダーが送信されず、接続が失敗することがあります。特に、認証やセッション管理に関する設定が重要です。
解決方法1(最も効果的)
手順1-1(Apacheでの設定)
Apacheを使用している場合、WebSocketを正しく処理するための設定を行います。以下のようにapache.confファイルを編集します:
<VirtualHost *:80>
ServerAdmin webmaster@localhost
ServerName app.myapp.biz
ProxyPreserveHost On
ProxyRequests Off
ProxyPass / http://127.0.0.1:8096/
ProxyPassReverse / http://127.0.0.1:8096/
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTP:Upgrade} websocket [NC]
RewriteCond %{HTTP:Connection} upgrade [NC]
RewriteRule ^/?(.*) "ws://127.0.0.1:8096/$1" [P,L]
SetEnv mongo_username aUser
SetEnv mongo_password aPassword
</VirtualHost>
この設定では、WebSocket接続を正しく処理するために、Upgradeヘッダーに関する条件を追加しています。
手順1-2(注意点とトラブルシューティング)
- 設定後、Apacheサーバーを再起動して変更を適用します:
sudo systemctl restart apache2
tail -f /var/log/apache2/error.log
解決方法2(代替手段)
Nginxを使用している場合は、以下の設定を行います。Nginxは、WebSocketトラフィックを処理するのに適切な設定を行う必要があります。以下のようにnginx.confファイルを編集します:
events {
worker_connections 2024;
}
http {
include mime.types;
default_type application/octet-stream;
sendfile on;
keepalive_timeout 65;
gzip on;
server {
listen 80;
server_name localhost;
location / {
proxy_set_header X-Real-IP $remote_addr;
proxy_set_header X-Forwarded-For $proxy_add_x_forwarded_for;
proxy_set_header Host $http_host;
proxy_set_header Upgrade $http_upgrade;
proxy_set_header Connection "upgrade";
# prevents 502 bad gateway error
proxy_buffers 8 32k;
proxy_buffer_size 64k;
proxy_pass http://127.0.0.1:8080;
proxy_redirect off;
}
}
}
この設定を適用後、Nginxを再起動します:
sudo systemctl restart nginx
解決方法3(上級者向け)
上級者向けには、コマンドラインで直接設定を変更する方法もあります。たとえば、以下のようにApacheの設定を変更することができます:
sudo a2enmod proxy_wstunnel
このコマンドは、WebSocketトンネリングを有効にします。その後、必要に応じて設定ファイルを編集し、Apacheを再起動します。
エラーの予防方法
このエラーを予防するためには、以下のポイントに注意することが重要です:
- 定期的にサーバーの設定を確認し、必要なモジュールが有効になっていることを確認します。
- ブラウザのバージョンを最新に保ち、互換性の問題を避けるため、主要なブラウザでテストを行います。
- セキュリティソフトやファイアウォールの設定を確認し、WebSocketトラフィックがブロックされていないことを確認します。
関連するエラーと対処法
このエラーに関連する他のエラーとしては、以下のようなものがあります:
- **502 Bad Gateway**: このエラーは、WebSocket接続が正しく処理されない場合に発生します。サーバー設定を確認し、正しいプロトコルとポートが使用されているか確認してください。
- **Unexpected response code: 400**: WebSocketのハンドシェイク中に無効なレスポンスが返される場合、このエラーが発生します。サーバーの設定を見直し、正しいヘッダーが設定されているか確認します。
まとめ
「failed due to invalid Upgrade header: null」というエラーは、WebSocketの設定やサーバーの構成に起因することが多いです。正しい手順に従ってサーバーの設定を行うことで、エラーを解決することができます。また、定期的なメンテナンスや設定の確認を行うことで、将来のトラブルを未然に防ぐことが可能です。次のステップとして、設定変更後は必ず動作確認を行い、必要に応じてログを確認することをお勧めします。

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