1億を超える相続不動産は本当に資産か?茨城県の相続放棄事例から学ぶ不動産相続の真実
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=p7RVc2WYkys
チャンネル: 不動産面G瀧島
再生回数: 292,503回
概要
この動画は、行き別れの母親から突然相続した不動産について、実際に現地調査を行い、最終的に相続放棄という結論に至った事例を紹介しています。不動産相続においては「親が資産だと思っている不動産が、実際には資産ではない」という現実を示す貴重なケーススタディです。
事例の背景
相談者の状況
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 相談者 | 関西在住の女性(パート勤務) |
| 母親との関係 | 1歳4ヶ月で別れ、16歳で1度だけ再会 |
| 相続の発覚 | 市役所から固定資産税の納付書が届いて初めて母親の死を知る |
| 母親の死亡日 | 2月3日 |
| 納付書到着日 | 不明(相談は数ヶ月後) |
ドラマのような経緯
- 小学6年生の時 – 父親の葬式の夜、行き別れの母親から突然電話
- 16歳の時 – 祖母と喧嘩し、母方の祖父母を自力で探し出して初対面
- その後 – 母親から「私が死んだら連絡が来るから待ってて」と言われる
- 成人後 – 子供を産んだタイミングで母親に連絡するも「今は会えない」と拒否される
- 突然の相続 – ポストに固定資産税の納付書が届き、母親の死を知る
相続不動産の詳細
物件構成
今回の相続物件は3つに分かれていました。
1. 自宅(茨城県石毛市)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 土地面積 | 1,614㎡(489坪)※空地と家の土地合計 |
| 坪単価 | 2万〜2.5万円 |
| 推定土地価格 | 約978万円(@2万円/坪) |
| 建物状況 | 古い戸建て、解体が必要 |
| 解体費用 | 300〜600万円(重機が入れるため比較的安い) |
| 正味価値 | 200〜500万円程度 |
2. 店舗(同じく石毛市内)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 土地面積 | 73坪 |
| 推定価格 | 約182万円(@2.5万円/坪) |
| 建物状況 | 長期間営業していない様子 |
| 用途 | 剣道場などの可能性 |
3. 空地
自宅の前にある土地(詳細は動画内では明示されず)
「甥っ子」からの不審な連絡
問題の発覚
相続発覚後、母親の甥を名乗る人物から連絡があり、以下の主張をしてきました:
| 主張内容 | 詳細 |
|---|---|
| 1000万円の貸付 | 母親にお金がないので1000万円を貸した |
| 店舗の購入 | その代わりに鍵をもらった |
| 所有権の主張 | 「俺のものだ」と主張 |
| 司法書士の介入 | 売買手続き中で司法書士が入っていると主張 |
専門家の見解(瀧島氏の分析)
✅ 母親の名義のまま → 売買は完了していない
✅ 相続人への連絡なし → 司法書士は入っていない可能性が高い
✅ 2ヶ月間放置 → 通常あり得ない
✅ 死亡直前の売買 → 相続税対策としても不自然
結論: 「死人に口なし」で乗っ取ろうとしている可能性
弁護士による調査結果
調査の経過
- 不動産専門の弁護士を紹介
- 現地調査を実施
- 甥っ子と直接面談
- 全物件の資産価値を精査
最終結論:相続放棄
| 理由 | 詳細 |
|---|---|
| 処分費用が高額 | 解体・整地・その他処分費用が想定以上 |
| 正味資産がほぼゼロ | 差し引きするとプラスにならない |
| 甥っ子は悪人ではない | コミュニケーション不足による誤解 |
| 母親の想い | 残したかった気持ちはあったが、現実的に資産ではなかった |
不動産相続の教訓
1. 「親が資産だと思っている不動産」の罠
親の認識: 土地を持っている = 資産を残せる
現実: 処分費用 > 売却益 = 負債
2. 固定資産税の追跡能力
市役所(税務課)は戸籍を遡って相続人を特定し、確実に納税義務を課してきます。
税務所の執念:
– 戸籍を遡って相続人を特定
– 確実に固定資産税の納付書を送付
– 「取り立てる執念がすごい」(動画内コメント)
3. 一括査定サイトの危険性
瀧島氏は動画内で一括査定サイトを推奨していません。
理由:
– 個人情報が複数業者にばらまかれる
– さらに別業者に転売される可能性
– ワンルーム投資などの営業電話がかかってくる
– 査定サイトへの広告費分、買取価格が下がる
4. 相続放棄の判断基準
| 相続すべき | 相続放棄すべき |
|---|---|
| 正味資産がプラス | 処分費用が資産価値を上回る |
| 管理が容易 | 管理コストが高い |
| 売却が見込める | 買い手がつかない |
| 負債がない | 負債がある |
相続トラブル回避のポイント
早期の専門家相談
1. 弁護士(不動産専門)
→ 法的権利関係の整理
2. 税理士
→ 相続税・固定資産税の試算
3. 不動産業者(信頼できる)
→ 資産価値の査定
感情論と法律論の分離
この事例では、相談者が当初「母親を恨んでいた」という感情から、「母親の想いを守りたい」という感情に変化しました。しかし、弁護士の冷静な判断により、法律と経済合理性に基づいた相続放棄という結論に至りました。
まとめ
この事例が教えてくれる最も重要な教訓は、「不動産=資産」ではないということです。
チェックリスト
相続不動産を受け取る前に確認すべきこと:
- [ ] 固定資産税の年額はいくらか?
- [ ] 建物の解体費用はいくらか?
- [ ] 土地の売却見込み価格はいくらか?
- [ ] 差し引きでプラスになるか?
- [ ] 親族間で権利関係の争いはないか?
- [ ] 専門家(弁護士・税理士)に相談したか?
相続は権利であり義務でもあります。冷静に判断しましょう。
動画のポイント(タイムスタンプ参考)
- 00:00 – 事例の紹介
- 06:15 – 「ドラマみたいな話」の全貌
- 13:00 – 土地の価値試算
- 19:00 – 半年後の結果報告
- 23:00 – 相続放棄の理由と教訓
参考URL
- 元動画(YouTube) – 不動産面G瀧島
本記事は上記YouTube動画の内容を基にした教育目的の要約です。相続に関する判断は必ず専門家にご相談ください。

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