AIの勉強を始めたいけど、「GPUって高いし…」「環境構築が面倒そう…」って思ってませんか?実は、そんな悩みを一気に解決してくれる無料ツールがあるんです。それが「Google Colab(グーグル・コラボ)」!
ブラウザだけでOK、インストール不要、しかも無料でGPUが使えるという夢のような環境なんですよね。今日はこの超便利なツールの使い方を、初心者の方にもわかりやすく解説していきます!
Google Colabって何?なぜこんなに便利なの?
Google Colabは、Googleが提供する無料のプログラミング環境です。正式名称は「Google Colaboratory(コラボラトリー)」で、略して「Colab(コラボ)」って呼ばれています。
簡単に言うと、「ブラウザの中で使えるPythonノートブック」なんです。でも、ただのノートブックじゃありません。Googleのクラウド上で動いているので、あなたのパソコンがショボくても大丈夫!クラウドの強力なコンピュータを借りられるんです。
何がすごいかって?
- Pythonがすでに入ってる:インストールの手間ゼロ
- 主要なライブラリも入ってる:PyTorch、Transformers、データセット系のライブラリなど、AI開発に必要なものが最初から使える
- GPUが無料で使える:ワンクリックで高性能なGPU(グラフィックス処理に使う専用チップ)にアクセス
つまり、AIの学習やプロトタイピング(試作)、LLM(大規模言語モデル)の実験に最適ってわけです!
実際にどうやって使うの?
使い方は驚くほど簡単です。
- Colabノートブックを開く
- 「接続」ボタンをクリック
これだけで、Googleがあなた専用の一時的なクラウドマシンを起動してくれます。まるで自分専用のAI研究室を借りる感覚ですね!
GPUを使う設定
普通に接続するとCPU(普通のプロセッサ)で動きますが、AI開発にはGPUが欲しいですよね。切り替えはとっても簡単:
- 画面上の「ランタイム」メニューをクリック
- 「ランタイムのタイプを変更」を選択
- 「GPU」を選ぶ
これでOK!高性能なGPUがあなたのものです。
GPUが本当に使えるか確認してみよう
ちゃんとGPUが使えるようになったか、確認してみましょう。ノートブックに以下のコードを書いて実行します:
import torch
torch.cuda.is_available()
これで「True」って表示されたら、GPU準備完了です!簡単でしょ?
必要なライブラリをインストールする
Colabには最初からたくさんのライブラリが入っていますが、時には追加のパッケージや特定のバージョンが必要なこともあります。
インストールはとっても簡単。普通のコマンドの前に「!」(ビックリマーク)をつけるだけです:
!pip install transformers==4.44.0
この「!」は、「これはPythonのコードじゃなくて、シェルコマンド(コンピュータへの直接命令)だよ」って意味なんです。
複数のパッケージを一気にインストールすることもできます:
!pip install accelerate peft bitsandbytes
ここで注意!
Colabのセッション(作業時間)は一時的です。ランタイムが再起動すると、インストールしたパッケージは全部消えちゃいます。だから、必要なインストールコマンドはノートブックの一番上の「セットアップセル」にまとめておくのがオススメ。再接続した時にサッと実行できますからね。
データの保存はどうするの?Google Driveと連携
ここで問題が一つ。Colabの仮想マシンは一時的なので、セッションが終わるとローカルファイルは消えちゃうんです。「せっかく作ったモデルが消えた…」なんて悲劇を防ぐために、Google Driveと連携しましょう!
連携方法は超簡単。以下のコードを実行するだけ:
from google.colab import drive
drive.mount('/content/drive')
これで、あなたのGoogle DriveがColab環境に接続されます。/content/driveというパスで使えるようになるんです。
実際の使い方の例:
# モデルを保存
model.save_pretrained('/content/drive/MyDrive/llm-experiments/my_model')
# データセットを読み込む
import pandas as pd
data = pd.read_csv('/content/drive/MyDrive/data/sample.csv')
これで、作業内容が永続的に保存されます。安心ですね!
無料版とPro版、どっちがいい?
Google Colabには無料版と有料のPro版(月額10ドル程度)があります。
無料版で十分な理由:
このLLM認定プログラム全体を無料版で学習できます!ほとんどの場合、T4やV100というGPUが使えるので、学習や小規模なファインチューニングには十分なんです。
Pro版を検討した方がいい場合:
- セッションが頻繁に切断される
- GPUが使えないことが多い
- もっと長時間連続で作業したい
こういう場合は、Pro版にアップグレードすると快適になります。でも、必須じゃないですよ!
Colabの得意なこと・苦手なこと
Colabが得意なこと:
- 実験:モデルやプロンプト、データセットを対話的にテスト
- 小規模モデルのファインチューニング:LoRAなどの効率的な方法を使って、7B(70億パラメータ)くらいまでのモデルをカスタマイズ
- ベンチマーキング:評価スクリプトをすぐに実行して性能を測定
- 学習:環境が統一されているので、チュートリアルがスムーズに進む
Colabが苦手なこと:
- 大規模なファインチューニング(超巨大なモデルの長時間トレーニング)
- 本番環境へのデプロイメント(実際のサービスとして公開すること)
これらは後半で学ぶ、もっと強力な計算環境で対応します。
よくある落とし穴と対策
Colabを使う時に知っておきたい注意点を3つ:
1. すべてが一時的
→ 定期的にGoogle Driveに保存しましょう!
2. セッションは期限切れになる
→ 切断されたら、再接続してセットアップセルを再実行すればOK。
3. ハードウェアは毎回違うかも
→ 特定のGPUモデルに依存するコードは避けましょう。
これらは「バグ」じゃなくて、無料で即座にクラウドアクセスできることのトレードオフなんです。頻繁にチェックポイント(途中経過)を保存する習慣をつければ、Colabはめちゃくちゃ快適になりますよ!
コストについての大事な話
このプログラム全体を通じて、計算コストは最小限に抑えられるように設計されています。ほとんどのレッスンとプロジェクトは無料か低コストで実行できて、プログラム全体でも合計5ドル以下で済むはずです。
ただし、無料のGPUオプション(Colabの基本ティアなど)は信頼性が低いこともあります。セッションが途中で切断されたり、混雑時に接続できなかったり…そういう時は、有料オプションへのアップグレードで時間とストレスを節約できることもあります。
もし有料オプションを使う場合の注意点:
- どのコードが動いているか、どのくらい時間がかかるか把握する
- ノートブックを無人で動かしっぱなしにしない
- 完了したら速やかにセッションをシャットダウン
コスト意識と効率性は、LLMエンジニアリングの中核スキルです。「設定して放置」じゃダメなんですね。
まとめ:さあ、実験を始めよう!
これで、すぐに使える開発環境が手に入りました。セットアップ不要、インストール不要、GPUアクセスも即座に可能です。
次のレッスンでは、このColabを使って実際にHugging Face Leaderboardのベンチマーク結果を再現してみます。評価コードを実行して、パフォーマンスを測定して、「リーダーボードの結果って本当なの?」を確かめるんです。
あなたの最初のColab実験が待ってますよ。さあ、始めましょう!

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