【2026年2月版】Home Assistant 2026.1/2.2最新アップデート・Matter対応強化・スマートホーム自動化の進化
はじめに、Home Assistantは2026年に入り、オープンプロトコルを中心としたスマートホームプラットフォームとしての地位をさらに強固なものにしています。2026.1リリースではMatterとThreadの統合が大幅に強化され、2026.2ベータではスマートロックのUIが刷新されました。さらに、Home AssistantのMatterサーバーがPythonからmatter.jsベースへの移行を開始するなど、技術的にも大きな転換期を迎えています。本記事では、これらの最新アップデートを詳しく解説します。
Home Assistant 2026.1:ダッシュボードの大改革
Home Assistant公式ブログで発表された2026.1リリースは「Home is where the dashboard is」と題され、ダッシュボードを中心としたユーザー体験の再設計が最大のテーマとなっています。
モバイルファーストのダッシュボード
モバイルデバイスでのユーザビリティが大幅に改善されました。ライト、空調、セキュリティ、メディアプレーヤー、天気、エネルギーなどのサマリーカードが、追加のナビゲーションなしで画面上部に表示されるようになっています。
“Summary cards (like lights, climate, security, media players, weather, and energy) now appear at the top without requiring additional navigation.” — サマリーカードがナビゲーションなしで上部に表示されるようになりました。
さらに、新しい「デバイスページ」が導入され、まだどの部屋にも割り当てられていないデバイスを一覧表示できるようになっています。これにより、セットアップ直後のデバイス管理が格段に楽になりました。
オープンプロトコルへのアクセス強化
2026.1の注目すべき変更の一つは、設定ページの再構成です。Matter Alphaのレポートによると、Matter、Zigbee、Z-Wave、Thread、Bluetooth、KNX、Insteonといったオープンプロトコルが、従来のインテグレーションリストから設定メニューのメインセクションに移動しました。
これにより、Matterデバイスの追加をスマートフォン経由(GoogleやApple APIを使用)ではなく、Home Assistantのウェブインターフェースやアプリから直接行えるようになっています。特に、Matterデバイスのコミッショニング(初期設定)がPCからでも簡単にできるようになった点は、テクニカルユーザーにとって大きな前進です。
自動化エディタの進化
Home Assistant Labsが提供する新しいトリガーとコンディションは、技術的な状態変化の記述ではなく、直感的な言語を使用して設計されています。ボタン、空調システム、デバイストラッキング、加湿器、ライト、ロック、シーン、サイレン、アップデートなど、多くの新しいトリガータイプが追加されました。
自動化エディタは、ターゲットをより明確に表示し、ユーザーが自動化の目的をひと目で理解できるよう改善されています。
Home Assistant 2026.2ベータ:Matter体験のさらなる向上
Matter Alphaによると、2026.2ベータではMatter体験の継続的な改善が行われています。
Matterステータスダッシュボード
新しいMatterダッシュボードページでは、Matterの稼働状態が一目でわかるステータス表示、Matterデバイスとエンティティへのクイックリンク、デバイスコミッショニング専用パネルが提供されています。
HVACの細かな制御
The Home Assistant users can now fine-tune how aggressively their HVAC system reacts to temperature changes, balancing comfort against efficiency using native device logic rather than additional automation and scripts.
Matterプロトコルモードで接続されたAqara W500 Thermostatなどのデバイスで、温度変化に対するHVACシステムの反応の積極性を細かく調整できるようになりました。追加のオートメーションやスクリプトではなく、デバイスのネイティブロジックを使って快適性と効率性のバランスを取ることができます。
スマートロックUIの安全性向上
スマートロックのユーザーインターフェースが、セキュリティを優先し、誤操作を防止するよう再構成されました。Matterドアロックの「Operating Modes」(Privacy、Passage、NoRemoteLockUnlockなど)の選択が、設定(Configuration)エンティティカテゴリに再分類されています。
これまで、このドロップダウンがロック・アンロックの操作ボタンの隣に表示されていたため、単純なアンロック操作をしようとして誤って「Passage」(永久アンロック)に設定してしまうリスクがありました。
Matterサーバーの大転換:PythonからJavaScriptへ
matter-smarthome.deの報告によると、Home AssistantのMatter統合における最も重要な技術的変更が進行中です。MatterアドオンがPythonベースからmatter.jsベースに移行するというものです。
Open Home Foundationが2025年11月に発表したこの移行は、パフォーマンスの向上、メンテナンスの容易さ、そしてより広いデベロッパーコミュニティとの互換性を目的としています。matter.jsはNode.jsベースのMatter実装で、JavaScript/TypeScriptエコシステムの豊富なリソースを活用できます。
新規インテグレーション8つが追加
2026.1では8つの新しいインテグレーションが追加されました。Fressnapf Tracker(ペットの位置モニタリング)、eGauge(エネルギーモニタリング)、Watts Vision+(スマート暖房制御)、Fish Audio(テキスト読み上げ)、AirPatrol(エアコン制御)など、スマートホームの適用範囲が着実に広がっています。
また、ESPHome 2025.12のAPIアクションレスポンス機能がサポートされ、ESPHomeデバイスがHome Assistantに構造化されたJSONデータを返せる双方向通信が実現しています。
品質スケールの進展
KNXとUniFi Protectの2つのインテグレーションがプラチナステータスを達成しました。プラチナは、テストカバレッジ、ドキュメント、コード品質のすべてにおいて最高水準を満たしていることを意味します。
実践手順:Matter対応デバイスの導入ガイド
ステップ1:Home Assistantのアップデート
Home Assistantを2026.1以降にアップデートします。「設定」→「システム」→「更新」から最新バージョンを適用してください。
ステップ2:Matterアドオンの確認
「設定」→「プロトコル」→「Matter」で、Matterアドオンが正しくインストール・起動されていることを確認します。新しいmatter.jsベースのアドオンへの移行も検討しましょう。
ステップ3:Matterデバイスのコミッショニング
Matterダッシュボードから「デバイスを追加」をクリックし、デバイスのQRコードをスキャンしてコミッショニングを開始します。スマートフォンアプリ経由のほか、Webインターフェースからの直接追加も可能になっています。
ステップ4:自動化の設定
新しいトリガータイプを活用して、直感的な自動化ルールを作成します。「ドアがロックされたらリビングのライトを消灯」のような自然言語に近いルール設定が可能です。
ステップ5:ダッシュボードのカスタマイズ
2026.1の新しいダッシュボードレイアウトを活用し、最もよく使う機能をトップに配置します。モバイルでの操作性を重視したレイアウトを心がけましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1: MatterサーバーのPythonからJSへの移行で何が変わりますか?
A1: エンドユーザーにとっての大きな変化はありませんが、パフォーマンスの向上とバグ修正の迅速化が期待されます。移行は段階的に行われ、既存の設定は自動的に引き継がれる予定です。
Q2: Matter対応デバイスはどこで購入できますか?
A2: Aqara、Eve、Nanoleaf、TP-Link、Philips Hue、Apple HomeKitなど、多くのメーカーがMatter対応デバイスを販売しています。AmazonやApple Storeで「Matter対応」で検索すると見つけやすいです。
Q3: ThreadとMatterの違いは何ですか?
A3: Matterはスマートホームデバイスのアプリケーション層プロトコル(通信内容を定義)で、ThreadはIPベースのメッシュネットワーキングプロトコル(通信方法を定義)です。MatterはThread、Wi-Fi、Ethernetの上で動作します。
Q4: Home Assistantは無料で使えますか?
A4: はい、Home Assistantはオープンソースで完全無料です。Raspberry Piやミニパソコンにインストールして使えます。Home Assistant Cloudサブスクリプション(有料)は、リモートアクセスやバックアップなどの便利機能を追加しますが、必須ではありません。
まとめ
Home Assistant 2026.1と2026.2ベータは、Matter対応の強化、ダッシュボードの大改革、自動化エディタの進化、そしてMatterサーバーのJSベースへの移行という、四つの柱で構成されています。オープンプロトコルへのアクセスがかつてないほど簡単になり、スマートホームの構築・管理がより直感的になりました。
特に、MatterとThreadの統合が設定メニューの中心に位置づけられたことは、Home Assistantがオープンスタンダードを推進するプラットフォームとしての姿勢を明確に示しています。2026年は、スマートホームの民主化がさらに加速する年になるでしょう。

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