【2026年2月版】Home Assistant 2026.2徹底解説|Matter強化・新ダッシュボード・Apps化で進化するスマートホーム
はじめに
2026年2月4日、Home Assistantの最新バージョン「2026.2」がリリースされました。「Home, sweet overview」と題されたこのリリースは、新しいHomeダッシュボードの完成、Matter対応の強化、そしてアドオンの「Apps」への名称変更など、ユーザー体験を大幅に改善する多くの新機能を含んでいます。
この記事では、Home Assistant 2026.2の主要な新機能と改善点を英語圏の公式情報をもとに詳しく解説します。Home Assistantユーザーはもちろん、スマートホームの導入を検討している方にも参考になる内容です。
新Homeダッシュボード:全新規インストールのデフォルトに
Home Assistant 2026.2の最大の変更点は、新しいHomeダッシュボードが全新規インストールのデフォルトとして採用されたことです。従来の青いトップバーを廃止し、モダンなテーマに一新されています。
このダッシュボードでは、検出されたデバイスが一目で確認でき、エリアの割り当てが簡素化されています。既存のユーザーもHome Assistant Labsからオプトインすることで、新しいダッシュボードを試すことができます。
XDA Developersのレビューでは、このダッシュボードについて次のように評価されています。
“Home Assistant’s new dashboard finally makes sense for the whole family.”
(Home Assistantの新しいダッシュボードは、ようやく家族全員にとって使いやすいものになった)
技術に詳しくない家族でも直感的に操作できるよう設計されており、スマートホームの「最後の壁」と言われてきたユーザビリティの問題に正面から取り組んだ形です。
Matter対応の大幅強化
Matter設定パネルの復活
Home Assistant 2026.1では間に合わなかったMatter設定パネルが、2026.2で刷新されたデザインとともに復活しました。Matter Alphaの報告によると、新しいパネルではMatterのステータスが表示され、Matterデバイスやエンティティへのクイックリンク、そしてデバイスコミッショニング専用パネルが用意されています。
“The Matter settings panel has now returned in the 2026.2 beta with a refreshed design that displays Matter status along with quick links to Matter devices and entities.”
(Matter設定パネルが2026.2ベータで刷新されたデザインとともに復活し、Matterステータスの表示やMatterデバイス・エンティティへのクイックリンクが提供される)
サーモスタット・ロック・センサーの深化対応
このアップデートでは、Matter対応デバイスとの連携がより深いレベルで改善されています。サーモスタット、ロック、センサーなどのデバイスタイプにおいて、Matterネイティブの機能により近いインタラクションが可能になりました。
アドオンが「Apps」に名称変更
Home Assistant 2026.2では、長年親しまれてきた「アドオン(Add-ons)」という用語が「Apps」に変更されました。これは、テレビにもスマートフォンにもアプリがあるように、Home Assistantにもアプリがあるという、より直感的な表現への移行です。
機能的な変更はありませんが、新規ユーザーがHome Assistantのエコシステムを理解しやすくなることが期待されています。「インテグレーション」はデバイスやサービスを接続するもの、「Apps」はHome Assistantの横で動作するスタンドアロンアプリケーション、という明確な区分けがなされました。
Open Home Foundationデバイスデータベース
コミュニティパワーの新しい取り組みとして、Open Home Foundationデバイスデータベースの構築が始まりました。Home Assistant Labsからオプトインすることで、匿名化されたデバイスデータを提供でき、すでに260以上のインテグレーションにまたがる10,000以上のデバイスが登録されています。
プライバシーは完全に保護されており、どのようなデータが送信されるかをユーザー自身で確認した上で参加を決められる設計になっています。
クイックサーチの完全リデザイン
キーボードショートカット(Macでは⌘+K、Windowsでは Ctrl+K)で呼び出せるクイックサーチが完全にリデザインされました。統合コマンドセンターとして機能し、以下のカテゴリフィルターが利用可能です。
- Navigate:ページ移動
- Commands:コマンド実行
- Entities:エンティティ検索
- Devices:デバイス検索
- Areas:エリア検索
完全なキーボードナビゲーション対応で、シングルキーショートカットも維持されています。
新しいインテグレーションと改善
6つの新規インテグレーション
- Cloudflare R2:オブジェクトストレージ
- Green Planet Energy:グリーンエネルギー
- HDFury:AVプロセッサ
- NRGkick:EV充電器
- Prana:換気システム
- uHoo:空気品質モニター
注目の改善点
- ESPHomeのウォーターヒーターサポート
- Spotifyの「いいね!した曲」再生対応
- Sonosのポッドキャストお気に入り対応
- Reolinkのペット検出チャイム機能
実践手順:Home Assistant 2026.2にアップデートする
ステップ1:バックアップの作成
アップデート前に必ずフルバックアップを作成します。設定 → システム → バックアップから実行できます。
ステップ2:アップデートの実行
設定 → システム → アップデートから、2026.2へのアップデートを実行します。
ステップ3:新機能の有効化
Home Assistant Labs(設定 → Labs)から、新しいHomeダッシュボードやデバイスデータベースへの参加などの実験的機能を有効化できます。
ステップ4:Matter設定パネルの確認
Matterデバイスを使用している場合は、新しいMatter設定パネルでデバイスのステータスとコミッショニングを確認します。
よくある質問(FAQ)
Q: 既存のダッシュボードは使えなくなりますか?
A: いいえ、既存のダッシュボードはそのまま使えます。新しいHomeダッシュボードはオプションとして追加されるもので、強制ではありません。
Q: Matterデバイスを追加するには?
A: 新しいMatter設定パネルから直接デバイスコミッショニングが可能です。Matter対応デバイスのQRコードをスキャンするだけで追加できます。
Q: 「Apps」への名称変更で設定は変わりますか?
A: 名称のみの変更で、既存の設定やアドオンの動作に影響はありません。
Q: デバイスデータベースへの参加でプライバシーリスクはありますか?
A: データは完全に匿名化されており、どのデータが送信されるかを事前に確認できます。参加はオプトインです。
まとめ
Home Assistant 2026.2は、ユーザビリティ、Matter対応、そしてコミュニティ連携の3つの柱で大きな進化を遂げたリリースです。新しいHomeダッシュボードは家族全員が使えるスマートホームを実現し、Matter設定パネルの強化はデバイスエコシステムの拡大を支え、Open Home Foundationデバイスデータベースはコミュニティの力でスマートホームの未来を形作ります。
スマートホームは技術者のための趣味から、誰もが簡単に使えるテクノロジーへと進化しつつあります。Home Assistant 2026.2は、その道のりにおける重要なマイルストーンと言えるでしょう。
参考資料
- Home Assistant 2026.2: Home, sweet overview – 公式ブログ
- Home Assistant’s new dashboard – XDA Developers
- Home Assistant 2026.2 beta Matter experience – Matter Alpha
- Home Assistant 2026.1 Matter and Thread – Matter Alpha
- The Matter Standard in 2026 – matter-smarthome.de
- Home Assistant 2026.2.0 Update – Archyde

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