平島です。これまでownCloudをセットアップしてきましたが、結局利用できる容量は、サーバのストレージに確保している分だけ(今回は20GB程度)でした。今回は、なんとこれを無制限に拡張します。具体的には、ownCloudでAmazon S3(Simple Storage Service)を使えるようにします。
Amazon S3の具体的な説明は省きますが、シンプルに言うと1年で99.999999999%の堅牢性と、99.99% の可用性を提供するよう設計されているストレージです。ファイルは異なる3つの場所にコピーされるので、実質、S3に配置されたファイルは、障害で消失することは100%無いと考えて良いです。
今回も画面ベースで説明して、分かった気持ちになるシリーズです。もし質問や、ご助力できることがあったら、お気軽に連絡くださいね。誰かの役に立てると嬉しいです。
Amazon S3ストレージ(バケット)の準備
まず、S3のストレージの準備をしましょう。バケットと呼ばれる単位で管理されています。

バケットに名前を付けましょう。

各種設定をして、次へですね。

アクセスについても設定をして次へですね。(日本語の説明文、難しいですね。。。)

はい、この時点で作成できますね。「バケット作成」です。

ちゃんと、今作ったバケットが見えていますね。成功です。

中身を見てみると、こんな感じに見えます。空ですね。

AWS IAMのユーザ作成
次に、IAMユーザというものを作ります。AWSって、とっっってもたくさんサービスもあるし、リソースもあるので、それらにアクセスするための権限を、ユーザ毎に詳細に設定できます。進めましょう。

次に、ユーザ名を決めましょう。また、今回はownCloudからプログラムでのみアクセスさせますので、以下のように設定をしておきます。

次に、今回は話を単純化するために、以下のようにS3にフルアクセスにします。アクセス権限を絞ることは別途で。

ということで、ユーザ作成ですね。

出来ました。以下のところに「アクセスキーID」と「シークレットアクセスキー」が出ます。ownCloudの設定で使いますので、メモっておきましょうね。

ownCloudへ、S3のフォルダ設定
ownCloudには、プラグインが追加できます。いろいろコミュニティの方が作ってくださっていて本当にありがたい限り。今回は、「External Storage: S3」というプラグインを使います。ownCloudの設定画面から、マーケットに行ってこのプラグインを探しましょうね。

ボタンをクリックしてインストールしましょう。

インストールが終わって有効化されると、このように「アプリ」の一覧に表示されます。

続けて、ownCloud内に、S3に接続されたフォルダを作りましょう。

外部ストレージのところで、フォルダ名やS3の各種設定をします。「アクセスキーID」と「シークレットアクセスキー」もここで入力します。
以下の画面で示していますが、赤い印のままでしたら正しく設定されていない状況です。

以下の画面のように、緑色になればOKです。お疲れ様でした。

ファイルの一覧ページに戻ると、今設定したフォルダが出来ていますね。確認しましょう。

中を確認すると、まだ何もありません。(そりゃそうですね)

アップロードのテスト
準備が出来ましたので、ファイルをアップロードしてテストをしましょう。
ownCloudは、ファイルだけでなく、フォルダもドラッグ&ドロップできるので、併せてこのタイミングで確認してみましょう。Windowsのデスクトップに「テストフォルダ2」というフォルダを作って、ファイルを3つ配置しました。

はい、デスクトップからドラッグ&ドロップしましょう。

アップロードが完了して、フォルダごとアップロードされたことを確認できました。素晴らしい。

S3にアップロードされたわけですが、ownCloudで管理をされているため、Windowsの共有フォルダにも同期されました。ほんと、素晴らしいですね。

アップロードされたファイルの確認
それでは、ownCloud内では、これらのファイルはどのように保存されているのでしょうか。
ここを確認しておくと、システムの活用として幅が広がりますので要チェックです。
以下が答えです。ちゃんとS3のバケット内にフォルダが出来ています。

そして、その中にファイルもありました。ちゃんとS3にアップロードされているんですね。

念のため、サーバのディレクトリ内も確認しました。間違えなくアップロードされたファイルは、この中に存在しないことを確認できましたので、サーバのストレージ容量に左右されずに、S3の無制限の容量を使えることがわかります。結果的に、EC2も低スペックで良いし、S3の激安の使用料だけですむことになります。

まとめ
ということで、今回は「自分だけのオンラインストレージの作り方(3)」をご紹介しました。
無事、Amazon S3と連携出来ましたね。Amazon S3はとても便利だけど、エンドユーザが使うには敷居があるので、ownCloudはその敷居を取っ払ってくれる観点でとても素晴らしいです。
Windowsの同期ソフトを入れておけば、例えば、車や船舶など、安定しなく切断も多々発生する不安定な公衆無線環境下でも上手にファイル同期してくれますね。これって、これからのIoTのシステムインテグレーションの一部にも上手に使えるのではないかと思います。
今日はここまで。もし質問や、ご助力できることがあったら、お気軽に連絡くださいね。誰かの役に立てると嬉しいです。