【2026年2月版】ROS 2最新動向まとめ|Kilted Kaijuリリース・NVIDIA連携・オープンソースヒューマノイド開発
はじめに
ロボティクスのオープンソースフレームワーク「ROS 2(Robot Operating System 2)」が、2026年に入って急激な成長を見せています。最新リリース「Kilted Kaiju」のサポートが継続する中、NVIDIAのGR00TとLeRobotの統合、Waymoの160億ドル資金調達、中国発のオープンソースヒューマノイドロボットの登場など、ロボティクス業界全体が活況を呈しています。
この記事では、ROS 2の最新アップデートとロボティクスエコシステムの動向を、2026年2月時点の情報をもとに詳しく解説します。
ROS 2の最新リリース状況
Kilted Kaiju(ROS 2の第11リリース)
ROS 2の公式ドキュメントによると、Kilted KaijuはROS 2の第11リリースであり、2026年11月までサポートされます。安定性と新機能のバランスが取れたリリースとして、プロダクション環境での採用が進んでいます。
次期リリース「Lyrical Luth」
2026年5月にはROS 2の次期リリース「Lyrical Luth」が予定されています。ROS 2のロードマップでは、パフォーマンスの改善やツールチェーンの整備が主な焦点として挙げられています。
2026年2月の注目ニュース
URDF Kitchen Beta 2
ROS Weekly News(2026年2月2日の週)で報じられた中でも特に注目すべきは、URDF Kitchen Beta 2のリリースです。このGUIツールは、ロボットのURDFモデルを視覚的に作成できるもので、開発者は次のように説明しています。
“Load mesh files for robot parts, mark connection points, and assemble robots by connecting nodes.”
(ロボットパーツのメッシュファイルを読み込み、接続ポイントをマークし、ノードを接続してロボットを組み立てる。)
特にCADツールからURDFを直接エクスポートできない場合に有用で、ロボット開発のハードルを大きく下げる可能性があります。
オープンソースヒューマノイドロボット「Roboto_origin」
中国のチームが開発した完全オープンソースのDIYヒューマノイドロボット「Roboto_origin」がGitHubで公開されました。ROS 2上で動作し、ハードウェアの設計データからソフトウェアまで全てがオープンソースです。
RUBIツール
ROS Utility Board Interface(RUBI)と名付けられた新しいモニタリングツールがリリースされました。ROSトピックを監視するための「slick little app」として紹介されており、デバッグやシステム監視に役立ちます。
ロボティクス業界の大型投資
Waymo 160億ドルの資金調達
2026年2月のROS Newsでは、ロボティクス関連の大型資金調達が報告されています。
- Waymo: 160億ドル(約2.4兆円)
- LimX Dynamics: 2億ドル(ヒューマノイドロボティクス拡大)
- Machina Labs: 1.24億ドル
これらの投資は、自律走行からヒューマノイドロボティクスまで、ロボティクス技術への期待の高さを示しています。
NVIDIAとROS 2の連携深化
GR00TとLeRobotの統合
前述のNVIDIA Isaac GR00T N1.6は、Hugging FaceのLeRobotフレームワークに統合されています。ROS 2との連携においては、Isaac LabとROS 2の橋渡しが強化されており、シミュレーション環境と実機環境のシームレスな切り替えが可能になっています。
FOSDEM 2026でのROS 2セッション
FOSDEM 2026では、「Modernizing ROS 2 Skills: Hacking and Orchestrating Cloud Brains, Physical Sensors, and the Network」と題したセッションが開催されました。クラウドAI、物理センサー、ネットワークをROS 2で統合する最新のアプローチが議論されています。
Zenohルーターによる分散セットアップ
最近のハッカソンでは、Zenohルーターで接続されたサーバーによる分散セットアップが試みられています。レーザースキャナーやカメラなどの物理センサーからのデータを、ROSBridge suiteやZenohを通じてストリーミングする実験が行われました。
Clearpath Roboticsのプラットフォーム移行
ROS 2サポートの拡大
Clearpath Roboticsは2026年1月のブログで、同社のロボットプラットフォームのROS 2対応について詳しく解説しています。対応プラットフォームとセンサーの一覧、そして始め方のガイドが公開されており、企業でのROS 2導入をサポートしています。
ROS 2_Controlのサポートロボット一覧
ROS 2_Controlドキュメントでは、対応するロボットの一覧が公開されており、2026年1月時点で多数のロボットがROS 2_Controlフレームワークに対応しています。
コミュニティイベント
ROSCon 2026
2026年のROSConはクロアチア(3月下旬)とトロントで開催される予定です。ROSCon Croatiaは@destoglが連絡先として案内されています。
その他のイベント
- 2月6日: InOrbitネットワーキングイベント(Mountain View)
- 2月10日: Singapore ROS Meetupキックオフ
- 2月26日: Joint PX4/ROS By-The-Bay Meetup
- 5月〜7月: Open Hardware Summit(ベルリン)、RPL Summer School(ストックホルム)、IEEE RAS Summer School(プラハ)
実践手順:ROS 2 Kilted Kaijuの始め方
Step 1: インストール
# Ubuntu 24.04の場合
sudo apt update && sudo apt install locales
sudo locale-gen en_US en_US.UTF-8
sudo apt install software-properties-common
sudo add-apt-repository universe
sudo apt update && sudo apt install ros-kilted-desktop
Step 2: 環境設定
echo "source /opt/ros/kilted/setup.bash" >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc
Step 3: 動作確認
# ターミナル1
ros2 run demo_nodes_cpp talker
# ターミナル2
ros2 run demo_nodes_cpp listener
Step 4: URDFロボットモデルの作成
URDF Kitchen Beta 2を使って、GUIでロボットモデルを組み立てます。
よくある質問(FAQ)
Q: ROS 2の学習に最適なリソースは?
A: ROS 2公式ドキュメントのチュートリアルが最も体系的です。日本語ではROS Japan Users Groupのリソースが参考になります。
Q: ROS 1からROS 2への移行は必要ですか?
A: はい。ROS 1のサポートは終了しています。新規プロジェクトはROS 2で始めることを強く推奨します。
Q: ハードウェアなしでROS 2を学べますか?
A: はい。Gazeboシミュレーターを使えば、実機がなくてもロボット開発を学べます。
Q: Rustでの開発はどこまでできますか?
A: rclrsが機能完成し、RustベースのROS 2開発が実用的になっています。パフォーマンスクリティカルなノードの開発に活用できます。
まとめ
ROS 2は2026年に入り、NVIDIAとの連携深化、オープンソースヒューマノイドの登場、大型投資の相次ぐロボティクス業界の中で、ますますその重要性を増しています。URDF KitchenやRUBIといった新しいツールがロボット開発のハードルを下げ、Zenohによる分散処理がスケーラブルなシステム構築を可能にしています。
5月にリリース予定のLyrical Luthにも注目しつつ、ROSConクロアチアやトロントでの最新発表をフォローしていきましょう。

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