Docker : exec /usr/bin/sh: exec format errorの解決方法【2025年最新版】

Docker : exec /usr/bin/sh: exec format errorの解決方法【2025年最新版】

エラーの概要・症状

Dockerを使用している際に、exec /usr/bin/sh: exec format errorというエラーメッセージが表示されることがあります。このエラーは、Dockerコンテナ内で実行しようとしているシェルスクリプトやバイナリが、実行環境と互換性がない場合に発生します。具体的には、異なるアーキテクチャのバイナリを実行しようとしたときや、スクリプトの先頭に適切なシェバング(shebang)が記載されていない場合に見られます。

例えば、x86_64アーキテクチャのマシンでARMアーキテクチャ用にビルドされたイメージを実行しようとすると、このエラーが発生します。これにより、Dockerコンテナが正しく起動せず、ユーザーはアプリケーションを使用することができなくなります。特に、開発環境やCI/CDパイプラインでDockerを使用している場合、これが発生すると作業が滞る可能性があるため、迅速に対応する必要があります。

このエラーが発生する原因

このエラーは以下のような原因で発生します。

  1. アーキテクチャの不一致: Dockerイメージが現在のホストマシンのアーキテクチャと一致しない場合、例えばx86マシンでARM用のイメージを実行しようとすると、このエラーが発生します。

  2. シェバングの欠如: スクリプトファイルの最初に#!/bin/bashなどのシェバングがない場合、Dockerはそのスクリプトを適切に実行できず、エラーを返します。

  3. Dockerfileの設定ミス: Dockerfileが間違ったプラットフォームでビルドされている場合、実行時にエラーが発生することがあります。

  4. 古いDockerバージョン: 使用しているDockerのバージョンが古い場合、特定の機能が正しく動作せず、エラーが発生することがあります。

  5. 権限の問題: 実行しようとしているスクリプトやバイナリが適切な実行権限を持っていない場合も、同様のエラーが発生します。

解決方法1(最も効果的)

このエラーを解決するための最も効果的な方法は、正しいアーキテクチャのイメージを使用することです。以下の手順で解決できます。

手順1-1(Dockerイメージの確認)

まず、現在使用しているDockerイメージのアーキテクチャを確認します。以下のコマンドを実行します。

docker image inspect <image-name>

このコマンドは、指定したDockerイメージの詳細情報を表示します。

手順1-2(正しいアーキテクチャでのビルド)

次に、必要に応じてイメージを再ビルドします。もし、ARMアーキテクチャのマシンでx86イメージを実行しようとしている場合、以下のコマンドを使用してイメージを再ビルドします。

docker build --platform=linux/arm64 -t <image-name>:<version> .

このコマンドにより、ARMアーキテクチャ向けにビルドされたイメージが作成されます。反対に、x86イメージが必要な場合は、以下のコマンドを使用します。

docker build --platform=linux/amd64 -t <image-name>:<version> .

注意点とトラブルシューティング

  • もしDocker Desktopを使用している場合、設定で「Experimental features」を有効にする必要があるかもしれません。
  • Dockerのバージョンが古い場合は、最新のバージョンにアップデートしてください。

解決方法2(代替手段)

もし上記の方法で解決できない場合、次の手段を試してみてください。

  • Dockerfile内で使用するベースイメージのプラットフォームを明示的に指定します。例えば、次のように記述します。
  • FROM --platform=linux/arm64 <image>:<tag>
  • また、Docker Composeを使用している場合は、docker-compose.ymlファイルにプラットフォームを指定する設定を追加することも検討してください。

解決方法3(上級者向け)

上級者向けには、Dockerのビルドx(buildx)を使用して、複数プラットフォームのイメージを同時にビルドすることができます。以下のコマンドを使用して、必要なプラットフォームのイメージをビルドします。

docker buildx build --platform linux/amd64,linux/arm64 -t <image-name>:<version> .

この方法を使用することで、異なるアーキテクチャのイメージを同時にビルドし、必要に応じてそれらを使用することができます。

エラーの予防方法

このエラーを未然に防ぐためには、以下の対策を講じることが重要です。

  • **アーキテクチャの確認**: 使用するDockerイメージのアーキテクチャを常に確認し、ホストマシンと一致することを確認してください。
  • **シェバングの追加**: スクリプトを作成する際は、必ず最初にシェバングを追加して、実行環境を明示的に指定してください。
  • **定期的なメンテナンス**: Dockerのバージョンを定期的に確認し、最新の状態に保つことで、最新の機能やバグ修正が適用されます。

関連するエラーと対処法

このエラーに関連する他のエラーには、次のようなものがあります。

  • Access denied for user 'root'@'localhost'というエラーも、Dockerコンテナ内の環境変数や設定ミスによって発生することがあります。
  • また、exec format errorに関しては、AWS FargateやECSなどの環境でも同様の問題が報告されています。これらの問題に対処するには、アーキテクチャの確認や適切な設定が必要です。

まとめ

Dockerのexec /usr/bin/sh: exec format errorは、主にアーキテクチャの不一致やスクリプトのシェバングの欠如が原因で発生します。正しいアーキテクチャのイメージを使用し、スクリプトには必ずシェバングを追加することで、このエラーを回避できます。エラーが発生した際は、今回紹介した手順を参考にして迅速に解決しましょう。次のステップとして、Dockerに関するベストプラクティスを学び、より効率的に活用できるように努めてください。

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