Docker push – net/http: TLS handshake timeoutの解決方法【2025年最新版】

Docker push – net/http: TLS handshake timeoutの解決方法【2025年最新版】

エラーの概要・症状

Dockerを使用している際に、docker pushコマンドを実行すると、「net/http: TLS handshake timeout」というエラーメッセージが表示されることがあります。このエラーは、Dockerがリモートレジストリと通信する際に発生する問題で、TLSハンドシェイクがタイムアウトしたことを示しています。

このエラーが発生すると、Dockerイメージをレジストリにプッシュできなくなり、開発作業が停止してしまう可能性があります。特に、インターネット接続が不安定な環境や、レジストリの設定が適切でない場合に多く見られます。このエラーが発生すると、ユーザーは「イメージを正常にプッシュできない」「作業が中断される」といった問題を抱えることになります。

このエラーが発生する原因

「net/http: TLS handshake timeout」エラーは、いくつかの原因が考えられます。以下に主要な原因を挙げます。

  1. インターネット接続の問題: 不安定な接続や低速なネットワーク環境では、TLSハンドシェイクがタイムアウトすることがあります。特に大きなイメージをプッシュする際には、接続が途切れやすくなります。
  2. Dockerの設定: Dockerの設定ファイルであるdaemon.jsonが正しく設定されていない場合、MTUサイズやミラーの設定の問題でエラーが発生することがあります。
  3. サーバーの負荷: Docker Hubやプライベートレジストリが高負荷状態にある場合、リクエストがタイムアウトすることがあります。この場合、サーバー側の問題であるため、ユーザー側では解決が難しいことがあります。
  4. プロキシ設定: 環境にプロキシサーバーが存在する場合、正しいプロキシ設定が行われていないと、TLSハンドシェイクが失敗することがあります。
  5. SSL証明書の問題: 自己署名証明書や不正な証明書が設定されている場合、SSL通信が正常に行えず、タイムアウトが発生します。

解決方法1(最も効果的)

手順1-1: Dockerの再起動

最初に試すべき解決策は、Dockerデーモンを再起動することです。これにより、一時的な接続問題が解消される場合があります。以下のコマンドを実行してください。

sudo systemctl restart docker

手順1-2: インターネット接続の確認

Dockerを再起動しても問題が解決しない場合、インターネット接続を確認してください。特に、接続が不安定である場合は、他のネットワークに切り替えて実行してみてください。場合によっては、遅い接続からより速い接続に変更することで問題が解決することがあります。

注意点とトラブルシューティング

  • 再起動後もエラーが続く場合は、次の解決策に進んでください。
  • 企業ネットワーク内で作業している場合、ネットワーク管理者に相談することも有効です。

解決方法2(代替手段)

もし最初の解決策が効果がなかった場合、次に試すべきはDockerの設定を変更することです。特に、同時アップロード数を減らすことでタイムアウト問題が解消されることがあります。

手順

  1. Dockerデーモンの設定ファイルdaemon.jsonを編集します。通常、このファイルは/etc/docker/daemon.jsonに存在します。
  2. 以下の設定を追加または変更します。
{
  "max-concurrent-uploads": 1,
  "max-concurrent-downloads": 1
}
  1. 設定を保存した後、Dockerデーモンを再起動します。
sudo systemctl restart docker

注意点

  • この設定変更は、特に帯域幅が限られている環境で効果を発揮します。複数のイメージを同時にプッシュする際に、タイムアウトが発生する場合があります。
  • 設定を変更した後、確実にDockerが再起動されていることを確認してください。

解決方法3(上級者向け)

より技術的なアプローチとして、MTUサイズの変更を試みることができます。

手順

  1. daemon.jsonファイルを開きます。
  2. 以下の設定を追加または変更します。
{
  "mtu": 1300
}
  1. 変更後、Dockerデーモンを再起動します。
sudo systemctl restart docker

注意点

  • MTUサイズの変更は、ネットワーク環境によって適切な値が異なるため、注意が必要です。1300は一般的な値ですが、環境に応じて調整が必要です。

エラーの予防方法

エラーを未然に防ぐためには、定期的なメンテナンスと設定の確認が重要です。以下の方法を推奨します。

  • インターネット接続の確認: 定期的に接続速度をテストし、問題がないか確認します。
  • Dockerのバージョンを最新に保つ: 新しいバージョンではバグ修正やパフォーマンス改善が行われるため、常に最新のバージョンを使用することが重要です。
  • 設定のバックアップ: daemon.jsonファイルのバックアップを取り、変更を行う前に元に戻せるようにしておきます。

関連するエラーと対処法

「net/http: TLS handshake timeout」エラーに関連する他のエラーには、以下のようなものがあります。

  • TLS証明書が無効: SSL証明書が正しく設定されていない場合に発生します。この場合は、証明書の再設定または新しい証明書の取得が必要です。
  • Docker pullが失敗する: 同様の原因で発生することがあり、解決策としてはネットワーク設定の確認やDockerの再起動が有効です。

まとめ

「Docker push – net/http: TLS handshake timeout」エラーは、ネットワーク接続やDockerの設定、サーバーの状態によって引き起こされます。まずはDockerを再起動し、次に設定を確認することで、多くの場合は問題を解決できます。定期的なメンテナンスや環境の確認を行うことで、将来的なトラブルを未然に防ぎましょう。

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