key_load_public: invalid formatの解決方法【2025年最新版】
エラーの概要・症状
エラーメッセージ「key_load_public: invalid format」は、SSL/TLS通信を行うアプリケーションで証明書が正しく読み込まれない場合に表示されます。特にJava環境で発生しやすく、SSL証明書が正しい形式でない、または信頼できない認証局から発行された場合に見られます。このエラーが発生すると、アプリケーションは安全な接続を確立できず、通信が失敗します。
具体的な症状としては、アプリケーションが起動しない、または特定のHTTPSリクエストを送信した際にエラーが返されることが挙げられます。ユーザーは、SSL接続が必要なサービスを利用できず、業務に支障をきたすことがあります。このエラーは特に、WebアプリケーションやAPIを利用する際に多く見られる問題です。
このエラーが発生する原因
「key_load_public: invalid format」が発生する主な原因は以下の通りです。
- 証明書の形式が不正: 証明書がPEM形式でない場合や、証明書ファイルが壊れている可能性があります。通常、SSL証明書はPEM形式(.pemまたは.crtファイル)で提供されます。
- 信頼できない証明書: アプリケーションが信頼する証明書ストアに目的の証明書が存在しない場合、接続は拒否されます。特に自己署名証明書の場合、手動でトラストストアにインポートする必要があります。
-
JVMの設定ミス: Java Virtual Machine(JVM)の設定が正しくない場合も原因となります。特に、
JAVA_HOMEの設定が誤っている、または古いJavaバージョンを使用しているなどが考えられます。 - ポートの不備: HTTPS接続には通常443番ポートを使用しますが、ファイアウォールやネットワーク設定によってこのポートがブロックされている場合もエラーが発生します。
解決方法1(最も効果的)
このエラーを解決するための最も効果的な方法は、正しい証明書をJavaのトラストストアに追加することです。以下に具体的な手順を示します。
手順1-1(証明書の確認と取得)
- 証明書を取得する: HTTPS接続先のURLをブラウザで開き、証明書をダウンロードします。ブラウザによっては、証明書情報から直接ダウンロードできるオプションがあります。
手順1-2(証明書のインポート)
-
Javaのトラストストアを確認する: 以下のコマンドを使用して、Javaのトラストストアにアクセスします。
bash
keytool -list -keystore "$JAVA_HOME/jre/lib/security/cacerts"
パスワードはデフォルトでchangeitです。 -
証明書をインポートする: 以下のコマンドで証明書をインポートします。
<AliasName>や<certificate>は自分の環境に合わせて変更してください。
bash
keytool -import -noprompt -trustcacerts -alias <AliasName> -file <certificate> -keystore "$JAVA_HOME/jre/lib/security/cacerts" -storepass changeit
例:
bash
keytool -import -noprompt -trustcacerts -alias myFancyAlias -file /path/to/my/cert/myCert.cer -keystore "$JAVA_HOME/jre/lib/security/cacerts" -storepass changeit
注意点とトラブルシューティング
- 証明書の形式が正しいことを確認してください。PEM形式で保存されている必要があります。
- 証明書をインポートした後、再度アプリケーションを実行し、エラーが解消されたか確認します。
解決方法2(代替手段)
もし上記の方法が効果がない場合、次の手段を試みることができます。
- JDKのアップデート: 古いJavaバージョンを使用している場合、最新のJDKにアップデートしてください。これにより、多くのセキュリティ問題が解決され、最新の証明書が利用可能になります。
- 証明書の再取得: 証明書が壊れている可能性があるため、再度SSL証明書を取得してインポートしてみてください。
- 異なるトラストストアの使用: デフォルトのトラストストアではなく、独自のトラストストアを作成し、そこに証明書をインポートすることも可能です。この場合、アプリケーションの起動時にトラストストアを指定する必要があります。
解決方法3(上級者向け)
上級者向けの解決方法として、コマンドラインを使用して直接証明書を操作する方法があります。以下のコマンドを使用して、証明書を生成し、インポートすることができます。
echo -n | openssl s_client -connect <your domain>:443 | sed -ne '/-BEGIN CERTIFICATE-/,/-END CERTIFICATE-/p' > ~/your_domain.crt
その後、生成した証明書を先ほどの手順でトラストストアにインポートします。
エラーの予防方法
このエラーを予防するためには、以下の対策が有効です。
1. 定期的な証明書の更新: SSL証明書の有効期限が切れないように、定期的に更新を行いましょう。
2. 信頼できるCAを使用する: 信頼できる認証局から証明書を取得することで、エラーが発生するリスクを減少させることができます。
3. JVMのアップデート: 定期的にJVMを更新し、最新のセキュリティパッチを適用することが重要です。
関連するエラーと対処法
- javax.net.ssl.SSLHandshakeException: SSL証明書の信頼性に関連するエラーです。この場合も、トラストストアの設定を確認し、必要な証明書を追加することで解決できます。
- PKIX path building failed: 証明書のチェーンが正しくない場合に発生します。すべての中間証明書がトラストストアに含まれているか確認してください。
まとめ
「key_load_public: invalid format」のエラーは、適切な証明書をトラストストアに追加することで解決できます。証明書の形式や信頼性を確認し、必要に応じてJDKをアップデートすることで、エラーを回避しましょう。また、定期的なメンテナンスを行うことで、将来の問題を未然に防ぐことが可能です。次のステップとして、実際に証明書を確認し、必要な手続きを行ってみてください。

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