PHP7.1 json_encode() Float Issueの解決方法【2025年最新版】
エラーの概要・症状
PHP7.1において、json_encode()
関数を使用する際に、浮動小数点数の精度に関する問題が発生することがあります。具体的には、数値が期待通りにJSON形式に変換されず、誤った値や精度の低い値が出力されることがあります。このエラーは、特に金額や価格情報を扱う際に顕著になり、開発者にとっては非常に厄介な問題です。エラーメッセージは表示されないものの、結果として得られるJSONデータが不正確なため、アプリケーションの動作に悪影響を及ぼします。ユーザーは正確なデータを期待しているため、この問題が発生すると、顧客からの信頼を損なう可能性があります。
このエラーが発生する原因
このエラーが発生する主な原因は以下の通りです:
- 浮動小数点数の精度: PHPでは、浮動小数点数を扱う際に、内部的にバイナリ形式で表現されます。このため、特定の数値(特に小数点以下の桁数が多いもの)は、完全に正確に表現できない場合があります。これが
json_encode()
に渡された際に誤った値として出力される原因となります。 -
設定の不足:
php.ini
ファイルにおいて、serialize_precision
やprecision
の設定が適切でない場合、浮動小数点数がJSONに変換される際に、精度が失われることがあります。デフォルトの設定では、浮動小数点数が十分に精度を保てないため、エラーが発生することがあります。 -
PHPのバージョン依存性: このエラーは主にPHP7.1において問題となります。バージョンによっては、浮動小数点数の処理や設定が異なるため、他のバージョンでは発生しない場合があります。
-
データの構造: JSONに変換する際に、配列やオブジェクトの構造が複雑である場合も、浮動小数点数の精度に影響を与えることがあります。特に、ネストされたデータ構造では、予期しない結果が得られることがあります。
解決方法1(最も効果的)
手順1-1(具体的なステップ)
最も効果的な解決方法は、serialize_precision
の設定を変更することです。この設定を-1に設定することで、浮動小数点数の精度を改善できます。以下のコマンドを使用して設定を行います。
if (version_compare(phpversion(), '7.1', '>=')) {
ini_set('serialize_precision', -1);
}
このコードは、PHPのバージョンが7.1以上であることを確認し、serialize_precision
を-1に設定します。これにより、浮動小数点数が正確にJSONに変換されるようになります。
手順1-2(詳細な操作方法)
- PHPスクリプト内に上記のコードを追加します。
-
その後、
json_encode()
関数を使用してデータをJSON形式に変換します。 -
変換結果を確認し、浮動小数点数が正しい精度で出力されているかをチェックします。
例えば、以下のコードを実行します。
$price = ["price" => round("45.99", 2)];
echo json_encode($price);
このコードを実行すると、期待通りのJSONデータが得られるはずです。
手順1-3(注意点とトラブルシューティング)
- 設定を変更した後は、必ずPHPを再起動してください。設定が反映されない場合があります。
- もし問題が解決しない場合は、
phpinfo()
関数を使用して、現在の設定が正しく適用されているかを確認してください。
解決方法2(代替手段)
方法1が効果ない場合、次に試すべきはprecision
の設定を行うことです。以下のようにコードを修正します。
if (version_compare(phpversion(), '7.1', '>=')) {
ini_set('precision', 17);
ini_set('serialize_precision', -1);
}
この方法では、precision
も同時に設定することで、浮動小数点数の精度をさらに向上させることが期待できます。
- 上記のコードをPHPスクリプトに追加します。
-
再度、
json_encode()
を使用してデータをJSON形式に変換し、結果を確認します。 -
期待する精度が得られるかどうか、注意深く観察してください。
解決方法3(上級者向け)
より技術的なアプローチを試みる場合、php.ini
ファイルに直接設定を追加することも可能です。php.ini
ファイルに以下の設定を追加します。
serialize_precision = -1
precision = 17
これにより、全てのスクリプトで浮動小数点数の精度が改善されます。ただし、php.ini
の変更は環境全体に影響を及ぼすため、注意が必要です。
エラーの予防方法
エラーを未然に防ぐためには、以下の点に留意してください:
- **定期的な設定の確認**: 開発環境や本番環境で
php.ini
の設定が適切であるか、定期的に確認してください。 - **テストの実施**: JSONデータを扱う際には、必ずテストを行い、期待通りのデータが出力されることを確認しましょう。
- **アップデートの実施**: PHPのバージョンを最新の安定版にアップデートすることで、バグ修正や機能改善が得られます。
関連するエラーと対処法
類似のエラーとして、json_decode()
に関連する浮動小数点数の問題が挙げられます。こちらも設定を適切に行うことで解決可能です。特に、データを変換する際には、どのようなデータを扱っているのかを理解し、必要に応じて設定を調整することが求められます。
まとめ
PHP7.1におけるjson_encode()
の浮動小数点数の問題は、設定を適切に行うことで解決可能です。特に、serialize_precision
やprecision
の設定を見直すことが重要です。問題が発生した際は、まずはこれらの設定を確認し、必要に応じて修正を行いましょう。今後はテストを通じてデータの精度を確認し、信頼性の高いアプリケーションを提供できるよう努めてください。
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